複雑性PTSDについて その1

今月は、複雑性PTSDのことにほんの少し触れておきたいと思います。

複雑性PTSDは、世界保健機関(WHO)の国際疾病分類改訂第11版(ICD-11)によって、初めて採用された概念です。

ICD-11によると、複雑性PTSDは、(PTSDの診断基準である)トラウマ体験の再体験、回避、過覚醒症状だけでなく、感情をコントロールすることの困難さ、否定的な自己認知、対人関係を維持することの困難さがあるという特徴が挙げられます。

 

 

これらは、長期間にわたる反復的なトラウマ体験があり、そこから逃げることができない状態によって引き起こされる症状です。

例えば、継続的な虐待を受けていた、ずっとネグレクトの状態だった、面前DVが日常的に行われていた、深刻ないじめ被害に日々遭っていた等々が原因となります。

その苦痛は筆舌に尽くし難く、症状は多岐にわたり複雑化、重篤化します。

 

 

複雑性PTSDの場合、EMDRを適用していく際、何より準備を周到にしてまいります。

EMDRでもそれなりの時間がかかりますが、それこそ、一歩一歩必ずや前進いたします。

ふと、日常が、今までと違う、楽に過ごせていると思う日がまいります。

決して焦らず、少しずつ、少しずつです。

複雑性PTSDについて その1
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