治療時間が短くて済む、苦痛な体験を詳細に語らなくても治療を進めることができる、その方の「自己治癒力」を活性化する力を持っているEMDRですが、クライエント様に適用する際にはお話を伺いながら、様々なことを吟味します。
例えば、今まさに自傷がある方の場合です。
また、日常生活の中で大きなイヴェントが控えている場合も見合わせます。
EMDRの治療の要の部分では、苦痛な体験にアクセスをかけることによって、治療が進みます。
1回1回のカウンセリングの際に慎重に蓋を閉じたとしても、日常生活の中でトリガーが引かれたなら、感情のコントロールを失って不安定になるリスクがあるのです。
セルフケア(セルフコントロール法)を十分に身につけていただいて、クライエント様もカウンセラー側もお互いに安心な状態になるまで、EMDRの準備を入念に行います。
そして、時期を見計らって、導入してまいります。
また、クライエント様に解離性障害がある場合は、標準的な方法では決して上手く進みません。
解離性障害の診断がおりていれば、カウンセラー側は心づもり、準備ができますが、診断がおりていなくても、その兆候のある方はいらっしゃいます。
あらかじめ把握できるように、心理検査をさせていただくようにお願いしております。
EMDRは、トラウマ記憶に対して効果の高い心理療法ですが、その一方でリスクもあるため、十分に準備をして、慎重に検討して導入するようにしております。
慎重に慎重に