発達障害とEMDR その2

大人の発達障害とEMDRについて考えてみたいと思います。

発達障害は、先天的な脳の機能障害ですから、様々な症状は幼い頃から現れていたと考えられます。でも、それらの症状が大きく目立たず、問題にならず、むしろ、社会に出てから社会生活が上手く運ばず、「何か、他の人と違う」と気づいて受診し、診断されるケースがあります。

 

 

大人になってから「自分は発達障害ではないだろうか?」と不安を抱える場合、どのような時に「何か違う」と、生きづらさや困難を感じてしまうのでしょう。

 

自閉症スペクトラム障害(ASD)では、他者とコミュニケーションが上手くいかない、いわゆる「空気が読めない」、臨機応変に対処できない、言われたことをその言葉通りに受け取り、冗談がわからず、人の輪の中で浮いてしまうなど。

注意欠如・多動性障害(ADHD)では、優先順位をつけるのが苦手、ケアレスミスを繰り返す、気が散って集中できないなど。

学習障害(LD)では、他者の話を素早くメモすることが難しい、書き写すことが苦手、誤字脱字が多い、聞き間違いが多い、簡単な暗算が苦手など。

 

 

以上の「何か違う」と、ご本人に思わせる生きづらさや困難な様子はほんの一片です。症状はまだまだ多岐にわたりますし、発達障害の分類で考えると重複していることもありますし、人それぞれです。

 

以上のような症状があると、対人関係が上手くいかず、社会生活がスムーズに営まれず、必要以上の叱責を浴びてしまったり、人の輪に入れてもらえなかったりすることで、気分が落ち込む、自信がなくなる、自己評価が低くなる、などなど二次的な傷つきを被ってしまうことがまれではありません。そうすると、悪循環の中で、社会生活がさらに上手く運ばなくなってしまいます。

 

 

もちろん、EMDRは発達障害を治療する心理療法ではありません!

(発達障害は先天的な障害であり、根本的な治療法は確立していないのです)。

 

二次的な傷つきからの解放にEMDRをお役に立てていただけたらと願います。

また、ぽこあぽこでは、クライエント様のニーズに合わせて、EMDRに併用して、認知行動療法にも取り組んでいただいております。

発達障害とEMDR その2
トップへ戻る