発達障害とEMDR その1 

以前、育て方やその環境に原因があるとまで言われていた発達障害。

(その呼称に変遷がありますが、ここでは従来通り、発達障害と記載しておこうと思います)。

近年は、そのように、原因を親の育て方や養育環境に帰するような考え方は、さすがになくなったと思います。先天的な脳の機能障害と言われていますね。

 

 

EMDRのカウンセリングをしていると、発達障害の特性をお持ちの方に少なからずお会いします。

「特性をお持ち」と記載したのは、「発達障害(特に、自閉症スペクトラム障害(ASD)と注意欠如・多動性障害(ADHD))」は、「ここからが発達障害」と線引きするものではないからです。

白色の明度を徐々に徐々に落としていくと最終的には黒色になるように、「連続体」で考えます。

 

 

そのように考えると、「全く発達障害の特性がない」という人間はいないと言えるかもしれません。

少々ストレスのかかる場面になると、自身の発達障害的な特性が浮上するということは十分あり得そうですね。

(そんな時は、早めにストレス反応と気づいて、コーピングをしたいものです)!

 

 

発達障害には、上記のように、幾つかの種類(ASD、ADHDの他に学習障害(LD))がありますが、いずれにしても、その特性ゆえに、社会生活を営んでいく上で様々な壁にぶつかりやすく、人間関係が上手く築けず、トラウマ記憶を被りやすいと言われています。

ましてや、最初の「社会」である家族関係の中で、(決して虐待とまではいかなくとも)「なんか、育てにくい子・・・」と思われたなら、愛着関係を十分に育てることができず、自身の感情を適切にコントロールする力や健全な自己評価を築くことができなくなるかもしれません。

 

 

さて、EMDRセラピーでは、発達障害ゆえに二次的に被ってしまったトラウマ化した記憶に対して、基本を大切に、また、杉山登志郎先生がご考案されたTSプロトコルを使うなどしながら進めます。

クライエント様の状態を把握する最初の段階より、苦痛な記憶から安全に解放されていくように、様々な配慮をして進めていくことになります。

発達障害とEMDR その1 
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